中級石油知識Q&A100



] その他


   Q1 特定給油所とは

   A1 整備士や必要とする機器類等、一定の条件を満たし、自家用貨物自動車の
      6ヶ月点検、及び自家用乗用車の1年点検を確実に行うことができるSSで、
      その証として点検整備を行った自動車に定期点検整備促進運動に基づく
      定期点検済みステッカーを交付できるSSを特定給油所といいます。
      特定給油所で点検できる車両については、1995年(平成7年)の道路運送
      車両法の改正により、それまでの特定給油所の主力業務であった自家用
      乗用車の6ヶ月点検が廃止され、現在の形となりました。
      これに伴い点検台数も低迷を続けています。
      2002年(平成14年)3月末現在の特定給油所数は約2,200ヶ所。


    










   Q2 セイビングスポットとは

   A2 1995年(平成7年)の道路運送車両法は、自動車使用者が自主的に保守管理を
      行うこと(保守管理責任の明確化)や自動車技術の進歩を前提に改正されたもの
      ですが、法改正の大きな目的である一般のドライバーが適宜適切に保守管理を
      行うことは困難が予想されたことから、全石連では、自動車の安全走行確保と
      同時にSSのフルサービスステーションとしての価値を向上させること目指し、
      同年、整備士のいるSSとして「セイビングスポット」事業を立ち上げました。
      セイビングスポットは、元売系列によらない業界横断的な統一商品であり、点検の
      レベルによってステージ1〜3までの点検メニューに分けられています。
      2002年(平成14年)3月末現在のセイビングスポット数は約1,900ヶ所。


    










   Q3 限定認証制度とは

   A3 1997年(平成9年)から認められるようになった「特定部品専門認証制度」での
      認証整備工場。
      この制度によりSSでの車検分野への直接参入への道を開いたといえます。
      従来、認証制度は
               @原動機
               A動力伝達装置
               B走行装置
               C操縦装置
               D制動装置
               E緩衝装置
               F連結装置
      この7つの分解整備すべてを行うことを前提とした「全部認証」が基本でしたが、
      このうちの最低1つ以上の「限定認証」「部分認証」でも「認証整備工場」となります。
      全部認証と比較して、屋内作業場の面積、作業機械品目の基準が緩やかで、
      SS内の整備室でも、認証工場となる可能性が広がりました。
      各陸運支局の整備課が申請・相談の窓口。


    










   Q4 業転玉とは

   A4 業者間転売の略称で、元売と特約店間の系列取引以外の国内での石油製品取引を
      いいます。
      精製会社等の需給ギャップにより発生する余剰品としてとらえられています。
      系列取引の仕切価格と異なり、価格変動が激しいといえます。
      RIM(リム)はその製品ごと、地域ごと、取引形態ごとの価格情報を毎日、提供する
      代表的な情報機関のひとつです。


    










   Q5 フリートSSとは

   A5 本来、フリートとは、船舶、航空機、輸送車などの「隊」(集団)のことであり、多数の
      トラックを使用して長距離輸送を行う業者を指す。
      これらに軽油を給油する大型のSSをフリートSSと呼びます。
      大手フリート業者としては、宇佐美グループ、一光グループ、鈴与商事、吉田石油店、
      コーナンフリート等が挙げられます。


    










   Q6 中小企業者とは

   A6 1999年(平成11年)12月に改正された中小企業基本法における「中小企業者」の
      範囲は以下のとおり。


業  種 従業員規模・資本金規模
現行定義 旧定義
製造業・建設業
運輸業等
300人以下または
3億円以下
300人以下または
1億円以下
卸売業 100人以下または
1億円以下
100人以下または
3千万円以下
小売業 50人以下または
5千万円以下
50人以下または
1千万円以下
サービス業 100人以下または
5千万円以下
50人以下または
1千万円以下

      この分類による石油販売業者の中小企業比率は96.7%となっています。
       (石油協会・石油製品販売業経営実態調査/平成13年度調査版)


    










   Q7 油外収益について

   A7 TBAとは、タイヤ(T)、バッテリー(B)、アクセサリー(A)の略称で、SSの油外商品を
      代表するものとされています。
      ワックス・ウインドウォッシャー液などのスペシャリティー(SP)を併せてTBASPと
      言うこともあります。
      過去5年間のTBA、洗車、点検整備を含む1SS当たりの月間「油外売上高」、
      また「総売上高に占める割合」は以下のとおりとなっており、油外売上高が総売上高に
      占める割合は平成10年度の8.5%をピークに減少傾向が続いています。


年  度 1996年度
(平成8年度)
1997年度
(平成9年度)
1998年度
(平成10年度)
1999年度
(平成11年度)
2000年度
(平成12年度)
総売上高
(千円/月)
17,199 17,434 16,173 17,092 18,630
油外売上高
(千円/月)
1,363 1,387 1,367 1,355 1,423
油外が
総売上高に
占める割合
(%)
7.9 8.0 8.5 7.9 7.6

        (石油協会 石油製品販売業経営実態調査をもとに算出)


    










   Q8 SSの多角化について

   A8 石油情報センターが2002年(平成14年)3月に取りまとめたアンケート調査に
      よると、SSの多角化で多い順に、「ユーザー車検・車検代行」(44.1%)、
      「整備工場」(19.4%)、「宅配便取次ぎ」(10.1%)、「保険取次ぎ」(9.8%)、
      「中古車取次販売」(7.5%)、「米穀販売」(7.1%)、「自動車販売」(5.8%)、
      「コイン洗車」(3・9%)、「コンビニエンスストア」(3.5%)と続き、車関連事業が
      上位を占めていることが分かります。
      収益性に関する意識調査では、全体で「予想以上の収益」(4.3%)、
      「ほぼ予想通りの収益」(38.1%)、「予想を下回る収益」(32.8%)、
      「現時点では赤字」(17.8%)となっており、過半数は収益が思ったように
      上がっていないことを表しています。
      これを分野ごとに見ると、好業績と言えるのが、レンタカー、自動車販売、カーリース、
      日用雑貨販売、整備工場、宅配便取次ぎとなります。
      一方、思ったように収益が上がっていない分野は、カー用品ショップ、カタログ販売、
      家電販売、日用雑貨販売、保険取次ぎ、等が挙げられます。


    










   Q9 電子商取引の推進状況について

   A9 電子商取引(Electronic Commerce=e−コマースとも言う)とは、インターネットを
      利用した商取引のすべてを指します。
      現在、書籍、自動車、パソコン、証券など、あらゆる商品やサービスでの売買・利用が
      急速に膨らんでいる。
      既存の商取引ルートを介さない取引が主体で、既存ルートにある店舗(リアルサイト)
      に対して、ネット上の店舗(バーチャルサイト)での取引が急拡大すると見通されて
      います。
      販売元から一般ユーザーに販売することをB to C、企業間の取引をB to Bと
      言います。
      経済産業省が2002年(平成14年)4月に取りまとめた「企業活動基本調査速報」に
      よると、全商業でのe−コマースの実施率は20.8%であり、小売業の20.5%と
      ほぼ同様でしたが、全石連が全国の石油販売業者を対象に2001年(平成13年)
      3月に取りまとめた調査結果では、「実施済み」が1・5%となり、「計画中」8.4%と
      併せても10%に満たない状況であり、小売業全体と比較して大きく乖離している
      ことが判明しました。
      実施予定のない大きな理由としては、「効果が見えない」(35.1%)、
      「人材がいない」(29.4%)、「きっかけがない」(13.4%)、「管理・運営コストが
      高い」(7.3%)と続く結果となりました。
      元売各社では、カー用品の販売や車検サービスの提供等を行い、その決済場所と
      してSSを利用するなどB to Cの展開を図っているところもありますが、B to Bと
      なると、現段階では一部元売が展開しているに過ぎません。


    










   Q10 外形標準課税について

   A10 外形標準課税とは、企業の利益を課税標準とする現行の法人事業税に対し、
       企業の資本金や売上高、賃金、従業員数等「外形標準」に基づき課税する
       方式。
       公共サービスを受ける対価として課税を求める考え方で、企業が赤字でも
       課税するのが特徴。導入例としては、東京都が2001年度(平成13年度)から
       大阪府が2002年度(平成14年度)から、ともに銀行業に対して導入・徴収を
       開始しました。(東京都は係争中)
       総務省では、地方自治体の財政悪化を背景に、「賃金」を課税標準とする外形
       標準課税を2001年度(平成13年度)から導入すべく運動を行いましたが、
       失敗に終わったことから、2002年度(平成14年度)の導入を目指しましたが、
       日本商工会議所、経済団体連合会、日本経営者団体連盟、全国中小企業団体
       中央会、をはじめとする74団体で組織する「外形標準課税導入反対協議会」
       (全石連も参画)による、「仮に導入されると中小企業の雇用に与える影響が
       非常に大きく、実質的な増税に繋がることは明白である」との主張のもと、
       導入反対の運動が展開されました。
       その結果、2002年度(平成14年度)中の導入は見送られることとなりました。
       しかしながら、平成14年度与党税制改正大綱では「今後、各方面の意見を
       聞きながら検討を深め、具体案を得た上で、景気の状況等も勘案しつつ、
       平成15年度(2003年度)税制改正を目途にその導入を図る」と明記されて
       います。
       また、2002年(平成14年)6月に発表された政府税制調査会の「あるべき
       税制の構築に向けた基本方針」によると、「外形標準課税を導入すると
       法人所得課税の実行税率は下がることとなる」とし、「早急に導入すべき」との
       方針を示しています。